ダイ・シージエ『バルザックと小さな中国のお針子』を読む
ダイ・シージエの『バルザックと小さな中国のお針子』を読んだ。
こんなあらすじである:
文化大革命下の中国。知識階級の子供と見なされた主人公と友人の羅(ルオ)の二人は下放された。
生まれ故郷の大都会・四川省の成都を離れ,電気もないド田舎,鳳凰山で農作業に従事することになった。
主人公と羅が住んでいる村には,時折,仕立屋がやってくる。その仕立屋の娘が表題の「お針子」である。「小裁縫」と呼ばれている。とても美しい娘で主人公と羅は恋をした。
毛沢東語録以外の本は所有禁止という状況下で,主人公と羅はフランス文学の翻訳本を入手した(盗んできた)。
娯楽に飢えていた二人はむさぼるようにそれらの本を読む。
そして,羅は小裁縫にバルザックなどを読み聞かせ,だんだんと親密になっていく。
羅は小裁縫に教養を付け,田舎には似つかわしくない洗練された女性に仕立てようとするわけだが・・・。
フランス在住の中国人映画監督が綴る青春小説。
ある程度予想されていたことだが,最後のどんでん返しがとても良い。
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