モンゴル語の"Л (L)"の発音
モンゴルに行くことになった。
たぶん挨拶以外は使わないと思うが,モンゴル語を少しばかり学んでいる。
どの外国語を習おうともかならず難しいことに直面するのだが,モンゴル語の場合,"Л (L)"が厄介である。
英語などのLの発音を行うふりをして(舌先を上の歯茎につけたまま),舌の両端から息を出し,「シ」にも「ヒ」にも聞こえる音を発するのである。
参考:東京外国語大学言語モジュール:モンゴル語:発音:実践編
このモンゴルのLの発音については梅棹忠夫も『実戦・世界言語紀行』で「サ行のエル音」として一節を割いて語っている。
Mongolはモンゴ<す/ふ>になるわけである。
「海」という意味を持つダライ・ラマのдалай(dalai)はダ<さ/は>イになる。
言語学では「無声歯茎側面摩擦音」と呼び,国際音声字母は"ɬ"である。
ちなみにチベット語には「無声歯茎側面接近音」"l̥"と言うのがあり,エル(流音)の世界は奥深い。
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