植草甚一『ぼくの読書法』を読む
植草甚一と草森紳一を間違えるぐらいダメな老生であるが,最近,某古本屋で「植草甚一 スクラップ・ブック」が何冊も売り出されていたので,2冊ほど買ってみた。
生涯にわたって映画,ペーパーバック,ジャズを愛し,それぞれについて膨大な紹介・解説・批評記事を書いたJ・J氏(植草甚一氏のこと)であるが,この本を読んで,その書豪ぶりに腰を抜かす次第である:
植草甚一『ぼくの読書法』
「あなたはどれくらい本を買いますか。こんな愚問もよく受ける。ぼくは毎日十二冊ぐらい買っていた。それが最近では十五冊になっている。けれど本屋に行けない日がある。それでも一ヵ月に五百冊にはなってしまう。二冊か三冊かじゃ本を買った気がしない。たまに神保町で洋書と雑誌を四十冊ばかり買って帰り,九時ごろからあっちこっちパラパラやりながら,いちおう目をとおすと夜中の二時ごろになるが,そんなときが一番たのしい。」(植草甚一『ぼくの読書法』24頁)
家の容積を考えると,一日に15冊も買う気にはならないが,蔵書をパラパラやって夜更かしする楽しさは良くわかる。
老生が買ったのは1976年に晶文社から出た初版本。
後に2004年の新装版がでて,さらに今ではKindle版が出ていることでもわかるように,時代を超えて様々な読者を獲得している凄い本である。
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