Proton sea | 陽子の海
陽子(ようし,proton)は3つのクォークで構成されている。
というのは聞いたことがあるが,最近の話では,陽子は3つどころかたくさんのクォークで構成され,海のようになっているということだ。
これをProton sea,陽子の海という:
"A new look at the proton sea", Physics Today
物理の世界では素粒子等の質量をeV(電子ボルト,エレクトロンボルト)という単位で表す。
陽子の質量は938 MeV(メガエレクトロンボルト)だが,クォーク1個だと数MeVにしかならないから,クォーク3つだけでは陽子の質量にははるかに及ばない。たくさんのクォークで構成される陽子の海を想定しないと,陽子の質量の説明がつかないわけである。
陽子の海の構造を知ることは,粒子加速器で陽子―陽子衝突の実験をやったときに何が出てくるのかを予測するうえで役立つとか。
どうでも良い話だが,『三体』シリーズでは,三体人が,陽子の11次元構造を2次元に展開し,その上に集積回路と人工知能を乗せて「智子」を作り,地球に送り込むというスーパーテクノロジーが出てくる。
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