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2021.06.30

アマプラで『メッセージ』を観なおす

数年前に飛行機でドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画『メッセージ』(Arrival)を観た。その時はよくわかっていない部分があったが,この度,アマゾンプライムで観なおしたら,いろいろとわかって面白かった。映画は何度でも見直すべきだ。

言語が思考を支配するという考え方がこの映画を理解するための一つの鍵だが,そういえば,高校の時の担任・英語の松永先生もそういうことを言っていたし,先日読んだ田中克彦著『ことばは国家を超える』でも「人間の考え方は言語に限定される」というフンボルトの考え方が紹介されていた。

言語が鍵になるSFと言えば,山田正紀『神狩り』とかサミュエル・R・ディレイニー『バベル17』とか過去にもいくつかある。思考や感覚を変えていくという点では後者が『メッセージ』に近いと思う。

それにしても面白いのがタイトルの変遷。

テッド・チャンの原作では”Story of Your Life”(『あなたの人生の物語』)というタイトル。これが映画になったら"Arrival"。そして,邦題は『メッセージ』。

どこに重点を置いたタイトルにすれば,読者/観客を引き付けることができるのか,という問題意識によるのだろう。

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