首が飛んでも動いて見せるワ
鳥居哲男氏の『わが花田清輝』の下巻を読んでいる。
戦後の混乱期。発行元・真善美社の経営が行き詰まりつつある中でも続けられる雑誌「綜合文化」の出版。党幹部との軋轢が生んだ「新日本文学」編集長解任劇。繰り返される困難の中でも花田清輝は不屈の姿勢を貫き、芸術活動に邁進する。これを本書の中では「首が飛んでも動いて見せるわ」というセリフで簡潔に表現している。
このセリフ、本書では魯迅の眉間尺の中の言葉としているが、他書によれば『いろは仮名四谷怪談』の伊右衛門のセリフだとか。
話は脱線するが、最近、生物学の世界でこのセリフに相応しい現象が発見された。
自切したウミウシの頭が動き回り、そこから身体が再生するのだという。
WIREDなどで紹介されている。
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