ミャンマーにてクーデター
コロナ禍のため延期しているのだが,いずれミャンマーで調査を行う予定だった。とりあえず文献情報のみ集めていた昨今であるが,本日,残念なお知らせが:
「ミャンマーにてクーデター」
アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問ほか政権幹部が国軍に拘束されたとのこと:
"Aung San Suu Kyi and other Myanmar figures detained in apparent coup: Country’s powerful army has previously threatened to ‘take action’ over alleged fraud in a November election" (The Guardian, Jan. 31, 2021,※1月31日というのは英国の日付。現地では2月1日。)
ガーディアン東南アジア特派員:Rebecca Ratcliffe氏が書いたこの記事によると,国軍はまずアウン・サン・スー・チー氏らを拘束し,しかる後に非常事態宣言を発令したとのことである。今朝(2月1日)から固定電話も携帯電話もダウン。銀行も休業。ヤンゴンの街には軍用トラックが現れ,バリケードが展開されているという。
ミャンマーでは昨年11月に総選挙が行われ,アウン・サン・スー・チー率いる国民民主連盟(NLD)が476議席のうち396議席を獲得して地滑り的圧勝。国軍の影響下にある連邦団結発展党(Union Solidarity and Development Party)は33議席しか獲得できなかった。
連邦団結発展党や国軍は,選挙に不正があった,と主張していたが認められなかった。
かねてから政権奪回を考えていた国軍としては,議会制民主主義では権力を掌握できないと判断し,周到に準備を重ねた上でクーデターに乗り出したのだろう。
↑一昨年12月訪問時のヤンゴン市内の様子。このときは平和だった。
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