劉慈欣『三体』を読む
中国語の勉強を再開しなければーー劉慈欣『三体』を読み終えてそう思った。
今から14年前,2006年に中国のSFは世界の最高水準に達していたのである。
地球と「三体」の間で1往復半の通信ができる程の時間の間,老生はそのことを知らずにいた。
ものすごく面白いSFだ。オバマ大統領がハマったというのがよくわかる。
台風が来るという日曜日の朝,購入して読みふけり,台風が去った翌日の夜に読み終えた。
訳者の一人・大森望氏曰く「カール・セーガンの『コンタクト』とアーサー・C・クラーク『幼年期の終わり』と小松左京『果てしなき流れの果てに』を一緒にしたような,超弩級の本格SF」,中国近現代文学研究者の千野拓政氏曰く「グレッグ・イーガンや伊藤計劃に負けない本格SF」というように,SFの名だたる大家の名を挙げて評価されているだけある。
老生の場合はグレッグ・イーガンに加えて,ポール・フロイス『破局のシンメトリー』,スティーブン・バクスター『プランク・ゼロ』,『真空ダイヤグラム』,アシモフ『神々自身』なんぞを思い出したのだが,読者諸氏はいかがお考えでしょうか?
あ,あとアシモフ『夜来たる』も。
とにかく,これまでのSFの総決算のようなもの。昨年出版されてから読むのを逡巡してきたことが惜しまれる。
『三体Ⅱ 黒暗森林(上)』を早く買わないといかん。そして,中国語を学び,中国SFの世界を探検しないといかん。
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