カソーンディじゃなくてカスンディ,カラムスタンじゃなくてカルマスタナ|『真夜中の子供たち』
サルマン・ラシュディ著,寺門泰彦訳『真夜中の子供たち』(上)を読んでいたところ,訳語で気になるところがいくつかあった。
まず,パドマらが作っている「マンゴー・カソーンディ」なる食べ物。上巻の338頁ほかに登場する。
しかし,ネットでカソーンディを調べたって出てこない。なぜなら,日本では「カスンディ」として知られているものだから。
カスンディ (Kasundi)はベンガル料理のディップソース。マスタードソースである。材料としてマンゴーやトマトが加えられることがある。
つぎに,占星術の話で出てくる「カラムスタン」。上巻の245頁や358頁に登場する。
これもネットで調べても出てこない。
実はこれ,ヒンドゥー占星術の「カルマスタナ (Karmasthana)」のこと。第10番目のBhava (भव)のことである。Bhava (भव)は仏教では有,占星術では室 (house)と訳される。
カルマスタナ (Karmasthana)はHouse of Professionと言われ,西洋占星術の第10番目の室,磨羯宮(やぎ座)と同じく, 職業,社会,地位,名誉を司る。
カルマというとインドっぽいが,カラムと言うとよくわからない。
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