WIRED vol.37出た
WIRED vol.37が出た。
セルリアンブルーというかターコイズブルーというか、とにかく目の覚めるような美しい青で彩られた雑誌である。判型はこれまでとは全く異なり、ハンディで持ち運びしやすい。
コロナ禍の下、インタビューから編集から何もかも完全にリモートワークで作成されたというから、さすが時代の先端を行く雑誌である。
まだ全部は目を通していないが、ライゾマの斎藤氏によるウィリアム・ギブスンへのメールインタビュー、副編集長小谷氏による筒井康隆への電話インタビューなど、SFの泰斗にコロナ禍およびこれからの世界について問うてみたインタビュー記事は時宜を得た優れたものである。
「SFがプロトタイプする未来」が今回のテーマだが、このテーマの下で集められたSF短編小説群もまたなかなかのもの。コロナ禍による《大隔離》後の世界はどうなるのか。コロナ禍はデジタルツイン化を一気に推し進めるきっかけとなるだろう。そしてデジタル化され、物理的な制約から逃れた世界では、情熱と知識が社会経済を駆動するのだろう。樋口恭介『踊ってばかりの国』を読んでそう思った。
WIREDではおなじみの北村みなみのコミックは、またもや柔らかで親しみやすい絵によって人類の滅亡と輝く未来を描いている。
本来ならSFマガジンがやるべき仕事をWIRED誌がやってのけた。お見事。
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