サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』を読む
I was born in Doctor Narlikar's Nursing Home on August 15th, 1947. And time? The time matters, too. Well then: at night. ―― Salman Rushdie "Midnight's Children"
この5月,岩波文庫にサルマン・ラシュディ著,寺門泰彦訳『真夜中の子供たち』(上)が入ったので読んでいるところである。
フエンテス,バルガス=リョサ ,そしてラシュディと,ここしばらく分厚い世界文学に凝っている。
インド独立の日に生まれたサリーム・シナイ。彼が書き綴る自らの歴史。
傍らにいるパドマから突っ込みを受けつつ,サリームの語りは続く。
第1巻(上巻の半分)は,カシミール人でドイツで医学を学んだ祖父,アーダム・アジズの話から始まり,インド独立の日まで三十年余りの家族の歴史が繰り広げられ,最後にサリームの誕生に至る。第1巻の最後に大変なことが明かされて読み手はびっくりする。
文中に出てくるココナッツ・デーについて調べてみたら,ムンバイ周辺の漁師たちの祝祭日として実在していた。7月か8月の満月の日に開かれる。モンスーンの終わり,静かな海の始まりを祝って、花と米とココナッツが捧げられる。
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