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2020.04.27

『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観た

またもや第五共和国ものをムービープラスで鑑賞。

チャン・フン監督『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年)である。1980年の光州事件を描いた作品。

昨日観た『1987,ある闘いの真実』も2017年の作品ということで,2017年は韓国現代史(第五共和国)映画の当たり年だなぁと思っていたら,この年の5月に文在寅政権が誕生したのだった。偶然というよりも,朴槿恵政権が倒れ,民主化の闘士だった人物が大統領に就任したタイミングを狙っての公開だったのかもしれない。

ドイツ人ジャーナリストをソウルから光州に連れていくことになった個人タクシーの運転手キム・マンソプをソン・ガンホが演じる。最初は大金に釣られてのドライブだったが,軍に殺戮されていく光州市民を見て,使命に目覚めていく。

小ずるい(?) 人間が覚醒するという流れは,前に紹介したアグニェシュカ・ホランド監督『ソハの地下水道』(参考)を思い出す。

頼りないお父さんを演じさせたら世界一の俳優,ソン・ガンホが主演を務めてこその傑作映画。そういえば,『パラサイト 半地下の家族』でも運転手を演じてた。

ソン・ガンホもいいが,光州の地元運転手ファン・テスルを演じるユ・ヘジンの魅力も捨てがたい。この人は先に観た『1987,ある闘いの真実』では民主化運動の伝達係を務める看守役という重要な役を演じていた。ユ・ヘジンと老生,学年は違うが生年が一緒なので親しみがわく。

タクシー運転手たちの義侠心と連帯感には感動。

昨日も書いたが,こうやって犠牲を払いながら獲得した韓国の民主主義。今も事あらばもの凄い規模の政治集会が開かれるのは当たり前。

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