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2020.04.30

ユリイカは韓国映画特集

ユリイカ5月号は『韓国映画の最前線』ということで,まことに時宜を得ている。

とくに先月『パラサイト 半地下の家族』を,そして今週『タクシー運転手 約束は海を越えて』や『1987,ある闘いの真実』を観た老生にとって。家人は『母なる証明』を西京シネクラブで観ているので,老生よりももっとポン・ジュノ作品に詳しい。

なぜ,こんなに韓国映画が存在感を増しているのか?その理由は様々あるだろうが,ポン・ジュノの成功を切り口に考えてみると良いかもしれない。

その意味で,ポン・ジュノへのインタビュー(2010年)の再録「弱者と変態の味方として」,イ・ヒャンジャン「グローバルシネマとしてのポン・ジュノ」,吉田広明「アカデミー賞(と韓国映画)にとってポン・ジュノとは何か」,影本剛「『パラサイト』,成功してはならない寄生」,片山慎三「50年後を想像する」といった記事が集中している今月号のユリイカは貴重だ。

韓国映画全体については,四方田犬彦「韓国ニューウェイブ20年」,宣政佑「韓国映画とサブカルチャーの政治性」が掲載されており,2000年以降の韓国映画の状況を俯瞰できる。 

あとコロナウイルス感染症のせいで公開が遅れているキム・ボラ監督『はちどり』に関する記事が特集の冒頭に掲げられており,まだ見ぬ韓国映画へのあこがれがいや増す良い特集である。

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