ユリイカは韓国映画特集
ユリイカ5月号は『韓国映画の最前線』ということで,まことに時宜を得ている。
とくに先月『パラサイト 半地下の家族』を,そして今週『タクシー運転手 約束は海を越えて』や『1987,ある闘いの真実』を観た老生にとって。家人は『母なる証明』を西京シネクラブで観ているので,老生よりももっとポン・ジュノ作品に詳しい。
なぜ,こんなに韓国映画が存在感を増しているのか?その理由は様々あるだろうが,ポン・ジュノの成功を切り口に考えてみると良いかもしれない。
その意味で,ポン・ジュノへのインタビュー(2010年)の再録「弱者と変態の味方として」,イ・ヒャンジャン「グローバルシネマとしてのポン・ジュノ」,吉田広明「アカデミー賞(と韓国映画)にとってポン・ジュノとは何か」,影本剛「『パラサイト』,成功してはならない寄生」,片山慎三「50年後を想像する」といった記事が集中している今月号のユリイカは貴重だ。
韓国映画全体については,四方田犬彦「韓国ニューウェイブ20年」,宣政佑「韓国映画とサブカルチャーの政治性」が掲載されており,2000年以降の韓国映画の状況を俯瞰できる。
あとコロナウイルス感染症のせいで公開が遅れているキム・ボラ監督『はちどり』に関する記事が特集の冒頭に掲げられており,まだ見ぬ韓国映画へのあこがれがいや増す良い特集である。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 小池正就『中国のデジタルイノベーション』を読む(2025.01.06)
- 紀蔚然『台北プライベートアイ』を読む(2024.09.20)
- 『ワープする宇宙』|松岡正剛に導かれて読んだ本(2024.08.23)
- Azureの勉強をする本(2024.07.11)
- 『<学知史>から近現代を問い直す』所収の「オカルト史研究」を読む(2024.05.23)
「映画・テレビ・芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 『アンデス、ふたりぼっち』を観てきた(2023.06.17)
- YCAMでショートフィルムフェスティバル(2023.02.13)
- 日本のドラマ「Mother」のスペイン語版リメイク作品が大ヒットとの情報(2022.11.23)
- 『神々の山嶺』観てきた(2022.08.20)
- 濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』観てきた(2022.08.07)
コメント