山頭火と猫(1)
山頭火と猫との間には何らかの関わりがあるに違いないという単なる直感の下,青空文庫で種田山頭火の「行乞記(一)」を読んでいる。
すると,さっそく,昭和5年9月30日,宮崎の折生迫(おりゅうざこ)の旅館・角屋に泊まった際,日記にある猫のことを書きつけていた。
今日、途上で見たり聞いたり思ひついたりしたことを書きつけておかう、<中略>或る家で、うつくしいキジ猫二匹を見た、撫でゝやりたいやうな衝動を感じた。(行乞記(一),昭和5年9月30日)
次に猫の記述が登場するのは数日後の10月2日のことだが,これは実際に見た猫の話ではなく,たとえ話の中の猫の記述。
そのあと,10月5日の日記に記された(自由律)俳句数句の中に猫についての句が現れる:
子供と人形と猫と添寝して(行乞記(一),昭和5年10月5日)
同日の日記の内容から察するに,秋の収穫の忙しさの中,農作業に疲れた人が子供や猫と一緒に寝ている姿か?
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 紀蔚然『台北プライベートアイ』を読む(2024.09.20)
- 『ワープする宇宙』|松岡正剛に導かれて読んだ本(2024.08.23)
- Azureの勉強をする本(2024.07.11)
- 『<学知史>から近現代を問い直す』所収の「オカルト史研究」を読む(2024.05.23)
- トマス・リード『人間の知的能力に関する試論』を読む(2024.05.22)
コメント