カーマンダキ『ニーティサーラ 古代インドの政略論』を読む
カーマンダキ著・上村勝彦訳『ニーティサーラ 古代インドの政略論』(東洋文庫)を拾い読みしている。
西暦800年より前には成立していたという書物だが、巻末の解説を読んでいるとそれも根拠の弱い話で、結局、古代インドの本だということしかわからない。
著者および成立年不明という怪しさはあるものの、内容は結構面白い。
例えばこういう一節がある:
正しく企画された行為が成果をあげない場合も、その企画者は非難されるべきではない。彼の雄々しい努力が運命によって退けられたというだけのことだ。(112ページ)
結果よりもプロセスを大事にしたい。そういう老生にとってはいい言葉だなぁと感心していると、次のような一節にも出くわすから古代インド人は油断ならない:
謀略戦により決然と敵を殺すべきである。詐術により敵を殺すことは法(ダルマ)を損なわないから。(184ページ)
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