« 山頭火と猫(3) | トップページ | クリームパン|おこま登場前夜 »

2020.03.05

山頭火と猫(4)

昭和5年12月14日。

山頭火は三井・三池炭鉱の万田坑で働く苦味生氏を訪ねる。そして酒を酌み交わしつつ歓談。

その晩は苦味生氏の友人,末光氏宅に泊まる。

寂しいほど静かな夜,13句を作ったが,そのうちの一句が猫の句:

師走ゆきこの捨猫が泣いてゐる(行乞記(一),昭和5年12月14日)

『行乞記(一)』の中の猫の記述はここでおしまい。

 

◆   ◆   ◆

 

山頭火は犬を題材とする句も作っている。『行乞記(一)』には全部で8句の犬を題材とした句が載せられている:

吠えつゝ犬が村はづれまで送つてくれた(昭和5年10月2日)
日向子供と犬と仲よく(10月5日)
白犬と黒犬と連れて仲のよいこと(10月19日)
吠える犬吠えない犬の間を通る(10月22日)
草の中の犬ころはもう死んでゐる(同上)
犬が尾をふる柿がうれてゐる(11月6日)
朝の鶏で犬にくはれた(11月8日)
吠えて親しい小犬であつた(11月22日)

これまで紹介した猫の句は16句と犬の句の数を圧倒しているが,これには,昭和5年12月のはじめ,次郎氏宅で猫のきいと一緒に過ごしていたことが大きく影響している。

|

« 山頭火と猫(3) | トップページ | クリームパン|おこま登場前夜 »

山頭火と猫」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 山頭火と猫(3) | トップページ | クリームパン|おこま登場前夜 »