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2020.03.27

猫にとっての快適温度

ネコの生理学データの続き。

ネコ(イエネコ,Felis silvestris catus)はリビアヤマネコが家畜化されたものだと言われているので,わりと高い温度帯を好む動物なのだと推察される。

Richard C. Hill, Karen C. Scott, Energy requirements and body surface area of cats and dogs, Journal of the American Veterinary Medical Association, Vol. 225, No.5 (September 2004), pp. 689 - 694

National Research Council, 2006. Nutrient Requirements of Dogs and Cats. National Academies Press, Washington, D.C.

と言った文献を踏まえると,イヌのイヌの熱的中性域(thermo-neutral zone; TNZ)は20~30℃であるのに対し,ネコの熱的中性域は30~35℃(NRCでは30~38℃)とされている。

Thomas Adams, Mary L. Morgan, William S. Hunter, Kenneth R. Holms, Temperature regulation of the unanesthetized cat during mild cold and sever heat stress, Journal of Applied Physiology, Vol. 29, No. 6, December 1970, pp. 852 - 858

という論文では,室温を変えながらネコの体温や呼吸数(respiratory frequency)や代謝率などを測定した結果を示しているのだが,ネコの呼吸数が最少(20.1回/分)になるのが32℃だった。

ヒトが生活している室温を冬18℃,夏28℃とすれば,イヌにとってもちょうど良い温度帯だと言えるが,ネコにとっては寒い環境であるかもしれない。

冬場にファンヒーターやストーブに異常に接近するネコがいるのだが,これはやはり人間にとってのちょうど良い室温は,ネコにとっては寒すぎるということを意味しているのだろう。

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