台湾と日本の関係を少しだけ考える:『あなたとともに知る台湾』
quarantineされてアジア諸国に出られないので,アジア諸国の本を読むことにした。
ちょっと前に東方書店で買った胎中千鶴『歴史総合パートナーズ6 あなたとともに知る台湾―近現代の歴史と社会』(清水書院)を紐解く。
台湾=親日という単純な構図ではないことはよくわかっているが,どう考えたらよいのか,少しヒントになった。
日本統治期をどうとらえるか。
日本人は日本による台湾統治の長所を持ち上げすぎるが,台湾人たちによる台湾史の見直し(例えば,1997年の教科書『認識台湾 歴史編』など)を踏まえると,考え直したほうが良さようだ。
著者は近年の台湾人たちの歴史観をこうまとめている:
日本統治期の近代化は,日本人が一方的に与えたものではなく,台湾人が主体的に受け入れたものだという歴史観です。(85~86頁)
そしてまたこうも言う:
台湾を理解したいと思うなら,彼らが否応なく向き合わざるを得なかった「日本」と,そこから主体的に受け入れた「日本」があることを,まず想像してみることが必要ではないでしょうか。(88頁)
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