フリーマン・ダイソン死す
フリーマン・ダイソンが28日に米国ニュージャージー州で亡くなったとのこと。96歳だった。
"Freeman Dyson, legendary theoretical physicist, dies at 96" (National Geographic)
ダイソン球とか原子力推進宇宙船オリオン計画とか,SFファンならご存じでしょう。
今から10数年前,英語の勉強を兼ねて,この人の本をよく読んだものである。"Imagined Worlds"とか"The Sun, The Genome, and The Internet: Tools of Scientific Revolutions"とか。
理論物理学者らしく,単純な現在の延長線上の未来像ではなく,知性と想像力の限界にチャレンジするような未来像を描く著書が多い。
翻訳された本の中では鎮目恭夫訳『宇宙をかき乱すべきか』が一番有名かもしれない。
ダイソンの著書ではないが,フリーマン・ダイソンとその息子ジョージ・B・ダイソンを描いたノンフィクション,ケネス・ブラウワー『宇宙船とカヌー』は何度読んでも良い本だと思う。
今はヤマケイ文庫に入っているが,老生はちくま文庫版で読んだ。
ジョージはカヌー製作者であり,技術史家でもある。カヌー製作者としての著書には"Baidarka: The Kayak"がある。
そして,技術史家としての著書には"Turing's Cathedral: The Origins of the Digital Universe"がある。
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