ピーター・サマヴィル・ラージ『ネパール・チベット珍紀行』を読む
広島のアカデミイ書房で,ピーター・サマヴィル・ラージ(Peter Somerville-Large)『ネパール・チベット珍紀行 (世界紀冒選書)』(心交社)という本を手に入れた。
1985年ごろのネパールの様子がわかって面白い本だ。
巻末の解説に寄れば,著者はダブリン出身のアイルランド人。オックスフォード大学トリニティカレッジを卒業し,その後は様々な職業を転々としたようである。やがて文筆家となり,いくつかの旅行記を上梓した。
訳者・大出健が言うように,本書は「たいへんうまく書かれた,面白い旅行記である」。
そもそも,ヤクの背に乗ってネパールとチベットを旅しようという発想が面白い。この考えは,ネパール人たちから全く支持されなかったのであるが,著者は果敢にも挑戦しようとする。
その成否はひとまず置き,本書ではヤクについていろいろ書いてあり,勉強になった。
小生は知らなかったのだが,ヤクはオスについての名称であって,シェルパ族はメスをナクと呼ぶのだそうだ。そしてヤクと雌牛を交配させて生み出されたのが,ゾプキオック(zopkiok,雄)とゾー(雌)という雑種だという。
Wikipediaやその他のサイトで調べてみると,この雑種は雄雌まとめてゾ(mdzo)と呼ばれ,雄はゾプキオックではなくゾプキョとかゾッキョと発音するようだ。そして,雌はゾーではなく,ゾモと呼ばれているようだ。地域や民族によって少しずつ呼び名が違うのかもしれない。
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