【司政官シリーズ】眉村卓逝去(85)
眉村卓といえば,『ねらわれた学園』も有名だが,小生にとっては司政官シリーズの著者。その眉村卓がこの3日に逝去したとのこと。
日本SF第1世代。享年85。
司政官というのは、連邦経営機構(銀河連邦か地球連邦かわからないが、その中心的な組織)が植民惑星に派遣する役人のことである。植民惑星が自治できるほど政治的に発達していない間、司政官がその惑星の行政をしきるのである。その司政官たちの奮闘を描いているのが司政官シリーズである。官僚SFなんて他に書いている人,ほとんどいないと思う。
司政官シリーズの中でも最高傑作だと思うのが『消滅の光輪』である。10年以上前にも紹介した(参考)が,上下巻で1000ページもありながら一気に読める。
『消滅の光輪』を超える大部,『引き潮のとき』もあるが,ハヤカワ文庫にも創元SF文庫にも入っていないので残念。
司政官シリーズに入門したい人は創元SF文庫の『司政官 全短編』を読むとよいかも。
ちなみに,マニアックなところでは,小生は光瀬龍,福島正実,高橋泰邦,今日泊亜蘭とのアンソロジー,『全艦発進せよ!―(オール・ファイヤー) SF未来戦記 (1978年)』を持っていたりする。その話も3年前ぐらいに書いた(参考)。
『ねらわれた学園』も読み直してみようか。
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