福建人,頑張る
中瀬のり子『異郷の福建人経営者12人 碧い海の向こうへ』という本を読んでいるのだが,福建出身の華僑たちの頑張りが凄い。
この本は日本に来てゼロからスタートし,勤勉に働きビジネスで成功を収めた福建出身の人々のオーラル・ヒストリーをまとめたもの。「バス代節約のため,往復1時間の道のりを歩いて通った」とか「建築関連の仕事をかけもちしながら,毎日夫婦二人で睡眠もろくにとれないまま働く日々を過ごしました」とか,苦労話に事欠かない。
苦労を経て成功を収めた後,今度は同郷出身者の支援に回ったり,故郷に投資を行ったり,いわば恩返しなども行っており,偉すぎてクラクラする。中国人に対してはまだまだ日本に学ぶべきだ,と語り,日本人に対しては中国のことをもっと知ってほしい,と述べ,もう全く突っ込むところが無い。
「日本復活」をテーマとした本が山のようにあるが,この福建人たちのバイタリティーには学ぶところが多い。
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