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2019.10.14

経済成長とエネルギー選択

Radha Devi Bhattaraiが書いた"Household Fuel and Energy Use for Rural Development in Nepal"という本を読んだ。

ネパールの農村におけるエネルギー事情がよく分かったのだが,それとともに経済成長とエネルギー選択について2つの見方があることがわかってよかった。

まず,下図の左側がBarnesとFloorが提唱した"Energy Ladder Approach"というモデルである。人々は豊かになると,コストはかかるが,より便利で洗練されたエネルギーを使うようになる,という考え方である。

これに対して,下図の右側がMaseraらが提唱した"Multiple Fuel Use Approach"というモデルである。人々は豊かになると,エネルギーの選択肢が増加し,複数のエネルギーを利用するようになる,という考え方である。

Energyladder

Radha Devi Bhattaraiがネパールのイラーム郡(Iram District)で行った調査結果によれば,農村部の人々は"Multiple Fuel Use Approach"にあうようなエネルギー消費行動をとるとのことである。つまり,生活が豊かになった場合,LPガスや電気のようなモダンなエネルギーを使うようになるが,かといって炭や薪の使用をやめるわけではないということである。エネルギー単価と入手しやすさなどによって,柔軟に使用するエネルギーを切り替えるということである。

なるほど合理的だ,と思ったのだが,日本の場合は長期的に見れば"Energy Ladder Approach"の方だろうと思う。小生が調べたところ,1956年ごろは日本全国で(東京も含めて)薪炭を主要な家庭用エネルギーとして使用していたのだが,いまや,薪炭を使う家庭はごくわずかで,灯油,都市ガス,LPガス,電気のいずれかしか家庭では使われていない。東京や大阪のような大都市に限定すれば,電気と都市ガスの2択しかない。

国によってまた時代によって,"Energy Ladder"か"Multiple Fuel Use"かという大きな違いがみられそうであるが,研究する暇がない。

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