シベリア・シリーズ
山口県立美術館で『香月泰男のシベリア・シリーズ』という特別展があったので観てきた。
シベリア・シリーズ全57点が揃っており圧巻。
香月泰男は徴兵により故郷・山口県三隅町を離れ,満州へと向かった。そして,終戦とともにシベリアに抑留。過酷な収容所生活を経て1947年に帰国を果たした。
飢えと寒さ,荘厳な自然の光景,それらの体験をもとに作り上げていったのが,このシベリア・シリーズである。
もともとの香月の作風は昭和モダンの情緒を漂わせるものであった。帰国直後に描かれた「埋葬」(1948年)はそうした作風の作品である。
しかし,この作風ではシベリア体験を描けないと感じた香月は模索を続ける。そしてついに「左官」(1956年)において,新たな作風に到達する。今回の展示では,この模索時代のプロセスを明らかにする作品群も公開されている。
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