池内紀『ヒトラーの時代』を読む
もともとはそれほど興味があったわけではない。
この本に対する非難が相次いでいるのに対し,舛添要一が義憤に駆られて擁護発言をしていると聞き(参考),かえって興味がわいて入手した。
たしかに冒頭からいくつかの誤記らしきものは確認できる。だが,第三帝国についてある程度の知識のある読者であれば,脳内で修正できる程度のミスだろう。
この本が時代の空気を描こうとしていることを理解すれば,凡ミスはまあ見逃してもよいと思う。
6年ほど昔に,この著者が書いた『消えた国 追われた人々― 東プロシアの旅』を読んだ(参照)。
第2次世界大戦の結果,失われた東プロシア(東プロイセン)。避難船グストロフ号の撃沈など,淡々と描かれているのがかえって悲劇性を高める。
いい本だった。
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