« グスタフ・モーラー監督『ギルティ』を観てきた | トップページ | デ・アミーチス『クオーレ』:「母を訪ねて三千里」はこの本の一節だった »

2019.07.23

議会主義の現在

参院選の期間中,ある本を読んでいた。その本の中の文章をコラージュしてみる:

「議会とは,議論と反論による公開の討論のなかに真理と正しさとが最も確実に見いだされる場所である。」

「討論には,前提としての共通の確信,よろこんで自ら説得される覚悟,党派の拘束からの独立,利己的な利害にとらわれないこと,が必要である。」

「『議会では思想がぶつかりあい,思想のふれあいが火花を散らし,明証へとみちびく』という文章をベンサムから引用するのは,今日では皮肉としてひびく」

「この信念が崩壊し,公開の討論はうつろな定式と化し,あらゆる重要な問題の決定が狭い範囲の委員会の秘密の会議のなかで行なわれるとき,議会主義の精神的基礎もまた崩壊したのである。」

これらの発言はワイマール体制に幻滅した法学者カール・シュミット『議会主義と現代の大衆民主主義との対立(1926年)』(『現代議会主義の精神史的状況』岩波文庫)からのもの。

非常にタイムリーな感じがしてやばい。

|

« グスタフ・モーラー監督『ギルティ』を観てきた | トップページ | デ・アミーチス『クオーレ』:「母を訪ねて三千里」はこの本の一節だった »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« グスタフ・モーラー監督『ギルティ』を観てきた | トップページ | デ・アミーチス『クオーレ』:「母を訪ねて三千里」はこの本の一節だった »