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2019.07.29

アンドレス・ファイエル監督『ヨーゼフ・ボイスは挑発する』を観てきた

現代芸術家,教育者,社会運動家,そしてなによりもアジテーター。ヨーゼフ・ボイスJoseph Beuys)の活動を追ったドキュメンタリー映画をYCAMで観てきた。

強烈な奇人かと思っていたが,発言内容はわりとまともで理解しやすかった。"Denken ist Plastik"とかね。芸術の概念を最大化すると何が起こるか。誰もが社会という作品を作る芸術家になるのである。なるほど。

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「緑の党」の創設に加わり,熱心に運動を展開するものの,奇矯な発言が災いして邪魔者扱い。排除されていくボイス。

その一方で,彼が提唱した,カッセル市に7000本の樫の木を植えるというプロジェクト(Projekt 7000 Eichen)は市民の協力によって実を結んでいく。本人は孤独を深める一方で,そのアイディアは着実に社会に根を張っていくというのが,対照的かつ感動的。樫の木は残った。

それにしても,最小限の説明,洗練されたBGM,巧みな画面構成。ドキュメンタリーもまた映像芸術なのだということを再認識。

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