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2019.07.01

"Here There are Tigers"を読む

ベトナム戦争時,ラオスの領土内で展開された秘密の戦争について書かれた戦記を読んでいる。

Reginald Hathorn "Here There are Tigers: The Secret Air War in Laos and North Vietnam, 1968-69" (Stackpole Military History Series)である。

著者は(元)米空軍少佐レジナルド・ハソーン。FAC(Forward air controller; 前線航空管制官)として作戦に従事した。FAC任務は低速機で敵上を低空飛行するため,撃墜の危険性がきわめて高い。著者の場合はセスナO-2スカイマスター(通称Oscar Deuce)を駆って,この任務にあたった。

 

 

なぜ「秘密の戦争」なのかというと,アメリカとラオスは公式には戦争を始めていないからである。

ではなぜ,ラオスで戦闘が展開されるのかというと,北ベトナムが南ベトナム解放戦線(通称Viet Cong)を支援するための補給路として,ラオス領内にホーチミン・ルート(Ho Chi Minh trail)を整備しているからである。これを叩き潰すのが「秘密の戦争」の目的である。

Nakhon Phanom Royal Thai Air Base (NKP)に置かれた23rd Tactical Air Support Squadron (TASS)の所属となった著者は,最初のブリーフィングでこう告げられる:

"I gotta warn you now, this is entirely a secret operation with everything we do and what all is here."

かくして1968年7月末から著者の,北ベトナム軍・南ベトナム解放戦線・パテトラオを相手とした戦いが始まる。

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