ナタウット・プーンピリヤ監督『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』を見てきた
YCAMで『バッド・ジーニアス』を見てきた。2017年公開のタイ映画。
実に面白い。
STIC(国際的な大学入試テスト)でのカンニングを成功させようという,コミカル,スリリングかつスタイリッシュなクライム・ムービー。
カンニングを主題とする映画は昔からあった。おそらく『ザ・カンニング [IQ=0]』が嚆矢なのではないか。それらの映画は純粋な娯楽作品だった。
だが本作の場合,学歴社会への挑戦,貧しさからの脱出といった社会派のテーマも重なって,ストーリーに奥行きが出ている。
主演のチュティモン・ジョンジャルーンスックジン(Chutimon Chuengcharoensukying,通称オークベープ,Aokbab)がイイ。176㎝の長身を誇るクールビューティ。
本人も超名門チュラロンコン大学で学んでおり,カンニングの中心となる天才少女役が様になる。
クールなのだが,若さゆえ知恵と経験の不足からピンチに動揺してしまう。そういう演技が上手。
クリーニング屋の息子で成績優秀で正直者だったバンク(チャーノン・サンティナトーンクン)が悪事に巻き込まれ,最終的には暗黒面に堕ちいていくのも良い。
貧乏人を悪意なく踏みつけて生きていく,残酷かつ屈託のない金持ちの坊ちゃん嬢ちゃん役のティーラドン・スパパンピンヨーやイッサヤー・ホースワンらの演技も光っている。
| 固定リンク
「映画・テレビ・芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 『アンデス、ふたりぼっち』を観てきた(2023.06.17)
- YCAMでショートフィルムフェスティバル(2023.02.13)
- 日本のドラマ「Mother」のスペイン語版リメイク作品が大ヒットとの情報(2022.11.23)
- 『神々の山嶺』観てきた(2022.08.20)
- 濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』観てきた(2022.08.07)
「東南アジア」カテゴリの記事
- 高野秀行『西南シルクロードは密林に消える』(2023.05.05)
- 納豆が食べたくなる本|高野秀行『謎のアジア納豆』(2023.04.20)
- 「情動エンジニアリング」について考える本(2022.03.19)
- 東南アジアの現代史はこれで:『はじめての東南アジア政治』(2022.02.11)
- ミャンマーにてクーデター(2021.02.01)
コメント