南アジア近代史の中のネパールについてざっくり知りたい
ネパール単独ではなく,南アジア諸国との関係を踏まえながらネパールの近現代についてざっくり知りたいと思ったとき,どの本を読めばよいか?
南アジアの歴史や政治について書かれた定番ともいえる本を2冊読んでみた。
一つは歴史の教科書ではおなじみの山川出版社から出ている『南アジア史』(新版 世界各国史)である。
600ページを超える大著なので期待したのだが,基本的には(というか当然のことながら)インドの話でほとんどが埋め尽くされていて,ネパールについての記述はほんのわずか。ラナ専制については数行程度。
ネパールの近現代について,簡潔だが,わりとしっかり描かれていたのが,こちら,『現代南アジアの政治』(放送大学教材)だった。
ネパールについては「第12章 南アジア東部地域の動き」という章の中で,ブータンやバングラデシュと比較しながら4ページを割いて解説されている。
ラナ専制の始まりと終わりが大英帝国の興亡とリンクしていることをはっきりと記述している。また,ラナ専制が終わった後の歴史を,国王,議会政党,マオイストの3者の争いとして見通し良く記述しているのも良い。
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