海上花列伝|第一回から第五回のあらすじ
太田辰夫訳『海上花列伝』(平凡社 中国古典文学大系 49,1969年)を読んでいるところである。
内容を忘れないよう,第一回から第五回のあらすじをメモしておく。
第一回
趙樸斎 鹹瓜街に舅(おじ)を訪れ
洪善卿 聚秀堂に媒(なかだち)を做(な)す
田舎から上海に職探しに来た趙樸斎が,薬局を営んでいるおじ,洪善卿を訪ねる。善卿は樸斎と,その同郷の友,張小村を引き連れて,西棋盤街の聚秀堂に行く。樸斎はここで,陸秀宝という芸者を見初める。
第二回
小■子(わかもの) 烟(アヘン)を裝(つ)めて空しく一笑し
清■人(はんぎょく) 酒を喫(の)まんと枉(むな)しく相譏(あいそし)る
趙樸斎は張小村に連れられてフランス租界新街のはずれの家に行く。そこで樸斎は娼婦の王阿二と知り合う。翌日,樸斎は小村とともに聚秀堂の陸秀宝を訪ねる。
第三回
芳名を議し小妹 招牌(かんばん)を附(だ)し
俗礼に拘り 細■(ボーイ)首座を翻(じたい)す
洪善卿が公陽里の芸者,周双珠を訪ねる。そこで双珠の妹分の名付け親となり,周双玉と命名する。そのあと,善卿は聚秀堂に行き,趙樸斎,張小村らと宴会をする。またそのあとで,江蘇の知事候補,羅子富らの宴会に招かれる。
第四回
面情(メンツ)を看(た)て 代庖(かわりに)買弁(かいものやく)と當(な)り
弄眼色(めくばせ)して喫醋(しっと)は包荒(ゆるしお)く
羅子富らの宴会を辞した洪善卿は王蓮生に招かれ,祥春里の芸者,張蕙貞の家を訪ねる。善卿が帰った後,王蓮生は張蕙貞宅を出て,西薈芳里に住む馴染みの芸者,沈小紅を訪ねる。沈小紅は王蓮生が新しい芸者に夢中になっているのではないかと不機嫌になる。
第五回
空當(あな)をうめ 快手(とりて)新しき歓(いろ)と結び
住宅を包(か)り 調頭(やどがえ)に旧好(ふるきなじみ)を瞞(あざむ)く
王蓮生は張蕙貞のために,東合興里に家を借りる。盛大な転宅祝いが行われ,向かいに住む芸者,呉雪香やその馴染みの客,葛仲英も宴に加わる。
ということで,上海に出てきた若者,趙樸斎は悪い遊びを覚えてしまった。そして,王蓮生は沈小紅という馴染みの芸者がいながら,張蕙貞に貢いでおり,暗雲が立ち込めている。さて,ここからどう展開するか?
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