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2019.01.16

海上花列伝|第六回から第十回のあらすじ

昨日に引き続き,太田辰夫訳『海上花列伝』(平凡社 中国古典文学大系 49,1969年)の第六回から第十回のあらすじをメモしておく。。


第六回
■魚(あかご)を養(う)む戲言(ざれごと) 善(よ)き教を微(あらわ)し
老鴇(やりて)を管(とりしま)る奇事 常の情(さま)に反す

転宅の祝宴を辞した葛仲英呉雪香は大馬路のデパート,亨達利(ホンタリ)洋行で買い物をする。仲英と雪香が帰宅すると,王蓮生から張蕙貞宅に来るようにと誘われる。仲英が向かいの蕙貞宅を訪れると,蓮生のほか,洪善卿らがおり,さらに羅子富が加わる。


◆   ◆   ◆


第七回
悪しき圈套(わな) 迷魂(まどわし)の陣を罩住(し)き
美しき姻縁(えん) 薄命の坑(あな)と填成(な)る

張蕙貞宅での宴会が終わり,羅子富は最近馴染みになった芸者,黄翠鳳の家を訪ねる。翠鳳は不在で翠鳳の女将,黄二姐が子富の話し相手になる。黄二姐によると,翠鳳は子富が古い馴染みの蒋月琴のところに通っていることが気にくわないらしい。


◆   ◆   ◆


第八回
深き心を蓄(ひそ)め 紅線の盒(はこ)を動留(うばいと)り
利(するど)き口を逞(たくましう)し 七香の車を謝卻(ことわ)る

羅子富は黄翠鳳をなだめようと金の腕輪を贈るが,翠鳳はしたたかで,子富は翻弄されるばかり。子富は翠鳳宅で一泊したのち,翠鳳を連れて馬車で明園へと向かう。


◆   ◆   ◆


第九回
沈小紅 張蕙貞を拳翻(なぐりたお)し
黄翠鳳 羅子富と舌戦す

羅子富は黄翠鳳を,王蓮生は張蕙貞を連れて明園の楼閣で歓談する。そこへ突然,嫉妬に狂った沈小紅が現れ,蕙貞をボコボコにする。警察や店のボーイらの介入によって喧嘩は強制終了。騒動が静まり,小紅と蕙貞はそれぞれ帰宅する。王蓮生,羅子富,黄翠鳳は今後の対策について協議する。翠鳳は子富に「あなた,ためしに蒋月琴の所に行ってみたら?」と言って揶揄する。


◆   ◆   ◆


第十回
新粧を理(おさ)め 討人(かかえ)に訓導(しつけ)を厳しくし
旧債を還すに 清客(たいこもち)も機鋒(ほこさき)鈍(にぶ)る

王蓮生と羅子富は洪善卿に招かれて,周双珠宅の酒宴に参加する。この酒宴には趙樸斎・張小村も加わり,子富のご機嫌取りに励んでいた。

酒宴が終わり,王蓮生は洪善卿らとともに沈小紅宅を訪れる。すると,小紅は蓮生に飛びかかるやら板壁に頭を打ちつけるやらの大騒ぎ。蓮生は小紅をなだめるため,小紅宅に留まることにする。


◆   ◆   ◆


ということで,二人の芸者,沈小紅と張蕙貞のバトルが一つの見どころとなっている。

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