山岡信貴監督『縄文にハマる人々』を観てきた
週末にYCAMで山岡信貴監督『縄文にハマる人々』を観てきた。
縄文時代に魅せられた人々を追ったドキュメンタリー映画。もちろん,大量の縄文土器も登場する。
いとうせいこうも登場するが,この人のハマり具合はまだかわいいレベルである。縄文ストレッチ創設者や縄文造形家など,人生を縄文に捧げた人々もいて凄い。
願望としては,諸星大二郎や星野之宣も登場すれば完ぺきだったのに,と思うが,隴を得て蜀を望む,の類となるから,本作に出てきた人々だけでも十分すぎるだろう。
登場したある人は「日本の歴史のほとんどを縄文時代が占めて,ほんのわずかの部分が弥生から現代までだ」と力説する。またほかの人は「縄文は世界にもまれなオリジナリティあふれる文化の時代で,弥生は外来の退化した文化の時代」とまで主張する。
この映画に登場する数えきれないほどの縄文土器や遺跡の数々を観ていくと,だんだんと彼らの主張が説得力を増していく。映画の力ってすごい。
登場した土器の中で老生のお気に入りは「人面香炉形土器」である。イザナミの出産と死,そして冥界神への変貌を一つの土器で表したかのような,凄い作品である。
映画の終わり近く,「第13章 縄文の終わり」のあたりで,生と死の表現として,家畜の屠殺映像が出てきたのは余分な気がする。全体的にユーモラスな記帳の映画だったので,スパイスを効かせようとしたのかもしれないが,やりすぎの感がある。
上映が終わって帰るとき,わりと観客が大勢いたことに気が付いた。やはり,いま,縄文がアツいのか?
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