あれも読みたい,これも読みたい:『人類文明の黎明と暮れ方』そして『東南アジア多文明世界の発見』
講談社学術文庫「興亡の世界史」第IV期がアツい。
先日上梓された「興亡の世界史」第IV期第1弾,青柳正規『人類文明の黎明と暮れ方』なんか,タイトルのつけ方が素晴らしい。過去の文明の興亡のみならず,現代文明の夕暮れを予感させる。ユイ・アフテングリ(光瀬龍)だね。
そして今月,「興亡の世界史」第IV期第2弾として刊行されたのが,カンボジア遺跡群の研究で名高い石澤良昭が書いた『東南アジア 多文明世界の発見』である。
東南アジア史は今一番ホットな領域で,かつてはインド・中国のおまけ的な他律史観が支配的だったのが,今では,インド・中国・イスラーム・西欧の影響を受けつつも,インドシナ半島ならびに島嶼世界の人々が独自に文明を開花させていったという自律史観に塗り替えられつつある。
カンボジアやラオスなど,東南アジアのあれこれに係っている者として,とても嬉しい一冊である。
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