『ザ・スクエア 思いやりの聖域』観てきた
この日曜日,ツマとYCAMに出かけて,2本の映画を観てきた。
そのうちの一本がリューベン・オストルンド監督『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(2017年)である。
地位も名声も,そしてテスラに乗っているところからするとお金もある,現代美術館のキュレーター,クリスティアン(演じるはクレス・バング)。新たに「ザ・スクエア」という作品を展示することを企画した。「ザ・スクエア」とは,地面に描かれた正方形。この正方形の中は人々が平等の権利と義務を持つ聖域である。クリスティアンは「ザ・スクエア」を,思いやりの心を呼び起こすアート作品として,世の中にアピールしようとしている。
だが,ある日,クリスティアンが携帯電話と財布を掏られる事件が起きたところから,歯車が狂い始める。次々に発生するトラブルによって,格差・差別・表現の自由といった問題に対する美術館スタッフ,そしてクリスティアンの建前,虚飾,仮面が剥ぎ取られ,クリスティアンは自分自身の本当の姿を直視せざるを得なくなっていく・・・。
毒とユーモアに満ちた作品であるが,後半は毒が回りすぎてとても笑えない状況に陥っていく。
映画の終盤,クリスティアンが少年に謝罪しようとして果たせなかったところは,予定調和を拒否していてとても良い。
エリザベス・モス演じる美術記者のアンが少し狂気を感じさせて面白い。眼力,言動,そしてチンパンジーと同居しているあたり。
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