内田洋子『モンテレッジオ 小さな村の旅する本屋の物語』,この美しき本。
内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』(方丈社)が評判になっているということで,買ってみた。
かつてイタリア・トスカーナ州の山村・モンテレッジォの男たちは,古本の行商をしていたという。会いに来る本屋。そんな興味深い仕事を追いかけたのがこの本である。
手に取ってみて,驚いた。
カバーを外すと,なんと美しい山と町のコントラスト。
BS日テレ「小さな村の物語 イタリア」の視聴者ならこの良さがわかるだろう。
ああ行きたいイタリア。山あいの家で本に囲まれてワインを飲んでチーズを食べたい。
イタリアへ行きたしと思えども,イタリアはあまりに遠し。せめてはこの本を持ちて,きままなる旅にいでてみん・・・。
・・・そして,本の天を見て歓心。これは通好みの「天アンカット」である。
こういう造本を見ると,著者と出版社のやる気を感じる。
出版元の方丈社は,神保町の魚料理の老舗「魚玉」の二階にある会社。その名の通り面積の小さな会社であるらしい。小さいからこそ丁寧に本を出すことができる。
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