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2018.04.13

大林宣彦監督『花筐』を観てきた

ゆきずりの
まぼろしの
花の宴
苦しくも
たふとしや
檀一雄


YCAMで大林宣彦監督の遺作(まだ生きています)『花筐』を観てきた。

いやー,どえらい映画である。

太平洋戦争直前,大学予科の学生たちと女学生たちの青春群像。

爽やかなものを想像すると大間違い。バッハの無伴奏チェロ組曲が流れ,唐津くんちの山車が走り,黒澤明の『夢』や鈴木清順の『ツィゴイネルワイゼン』を上回りかねないドギツイ映像美の中で,濃いぃ面々が命の炎を燃やす。

大学予科の学生を演ずるのは,窪塚俊介,満島真之助,長塚圭史,柄本時生。この人たちが18~20歳を演ずるのだから凄い。強烈すぎる笑顔の窪塚俊介,やたら脱いでる満島真之助,生きてるのか長塚圭史,安定の柄本時生。

女学生陣も,お人形さんのような矢作穂香(結核に侵された薄幸の美少女),まあ普通の山崎紘菜,不穏な門脇麦と,とても濃い。そして,窪塚俊介演じる榊山俊彦の叔母役の常盤貴子の妖艶さ。

ラストシーンも強烈。観客に向けた大林宣彦監督のメッセージが炸裂。

君は飛べるのか?!

大林宣彦監督は『野火』を撮った塚本晋也に対して,「自分は戦後の映画監督,君は戦前の映画監督」と言ったらしいが,本作でその意味が分かったような気がする。

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