« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »

2018.03.31

映画『ウィンストン・チャーチル』公開記念(2):『マラカンド野戦軍物語』第3章公開

映画『ウィンストン・チャーチル』公開記念第2弾ということで,

サー・ウィンストン・チャーチルの若かりし頃の作品『マラカンド野戦軍物語』の第3章を訳したので公開する次第である。

第2章まで訳すのに5年近くかかっていたくせに,第3章はここ数日で翻訳できた。やればできる。

「Malakand-field-force-03.pdf」をダウンロード

チャーチルの文章の癖がわかってきたかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.30

弥生三十日のキュレーション

平成29年度もそろそろ終わり。

外では桜が満開で,新年度になったらほとんど散ってしまっているのではないかという恐れがある。

温暖化の影響だと言われているのだが,桜(ソメイヨシノ)の開花は10年で0.9日早まっている(『地球温暖化防止コミュニケーターハンドブック』)。

いずれ花見は歓迎会行事ではなく,送別会行事となるのではないか。


◆   ◆   ◆


さて,最近気になったニュースを取り上げてみる。

日本で進むネット世論操作と右傾化」 (by 一田和樹,2018年3月29日,THE ZERO/ONE)

ドイツ・エアランゲン=ニュルンベルク大学のファビアン・シェーファー博士の研究(参考)によれば,世論操作のためのボットが日本国内のネット上で大規模に活動しているとのこと。

RPA(Robotic Process Automation),つまりソフトウェアロボットによる業務プロセスの自動化が話題となっているが,ネット世論のような限定された領域ではすでに数年前から当たり前となっていると言えるだろう。


映画『ブラックパンサー』は,「アフロ・フューチャリズム」を人類の希望に転じた:池田純一レヴュー」(2018年3月18日,WIRED)

日本は内政外交ともに暗雲立ち込めているような気がするが,アフロアメリカンのみならずアフリカ社会には輝かしい未来がありそうに見えてうらやましい。そういえば,ルワンダとかハイテク活用で奇跡の復活を見せているという話。これもWIRED情報。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.29

Wright編"History of Neapl"のこと

神保町に行ったついでに,洋古書専門の北沢書店でDaniel Wright "History of Nepal"を購入したことは既に書いた。

Sdsc_1014

ダニエル・ライト (Daniel Wright)は編者であり,第1部"Introductory Sketch (導入的素描)"を書いている。第2部から"History of Nepal"が始まるが,これはインド総督官邸付ミール・ムンシ(秘書官長)のシュー・シュンカー・シンとネパール人のパンディット・シュリー・グナナンドによって訳された"Vansavali"という史書を訳したものである。

この本は探せばインターネットで全文を読むことができるが,本気で読もうと思えば,手元に一冊あった方がいい。

この本,もともとはケンブリッジ大学出版から1877年に出版されたものである。しかし長らく品切れとなり,研究者たちからは再版が望まれていた。そこで,82年目にして,インド・カルカッタのスシル・グプタ社からリプリントが出た。このリプリントを入手したというわけである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.28

神保町で『道教と東南アジア華人社会』と"History of Nepal"購入

日本工業大学まで出かけてきたのだが,同大学は神田神保町という本好きにとっては天国のようなところにある。

Sdsc_0714

仕事を終えた後で,東方書店北沢書店を回って,結局それぞれで1冊ずつ本を買ってしまったわけである。

Sdsc_1014

中国書専門店である東方書店では同書店が出版元となっている書籍,坂出祥伸『道教と東南アジア華人社会』を,洋古書専門店である北沢書店ではインドでリプリントされたDaniel Wright "History of Nepal"を購入。

趣味の本とも言えるが,老生は東南アジア各国とネパールで仕事をしているので,仕事の参考文献と言うこともできる。

まずは,坂出祥伸『道教と東南アジア華人社会』を読んでいるが,中国人を理解するためには「宗族制」というものを理解することが最も大事だというのがわかった。中国大陸だけでなく,世界中の華人社会では,個人でも国でもなく,宗族が主体なのだ。その基盤の上で,儒教も道教も共産党も中国ビジネスも成立している。

アフリカや中東の部族,中国の宗族。これらが今後の社会経済の重要なファクターなのかもしれない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.27

「週刊文春 3月29日 春の特大号」は「買い」です

週刊誌を買うことはめったにないのだが,今出ている「週刊文春 3月29日 春の特大号」は「買い」だ。

政治家の記事なんかはどうでも良い。

「たけしの独立」を取り上げた,水道橋博士による連載記事「週刊藝人春秋 Diary」,酒場詩人・吉田類への取材記事「新 家の履歴書」,村西とおるの応酬話法に哲学性を見出した,鹿島茂の「私の読書日記」,これらだけでも面白いが,何よりも大事なのは

『ゴンちゃん,またね』 (作・画 ビートたけし)

が一挙掲載されていることである。全国2000万人の愛犬家の袖を涙で濡らすこと間違いなしの傑作である。

細かいとこまで神経が行き届いた,それでいてユーモアたっぷりの文章は井上ひさしの『吉里吉里人』や『腹鼓記』を思い起こさせる。だが,物語の基調となっている寂寥感,そしてそこから生じる愛や思いやりの気持ちは全く異質のものだ。

作品の後に添えられた岸川真の文中には次のような,たけし本人の言葉が引用されている:

<あ,人間と犬は孤独で繋がるのか>

「こんな時代だし,大人のメルヘンがいいよね」

こんな素晴らしい作家(・映画監督・漫才師)と同じ時代に生きているのは凄いことだよ。

それにしても水道橋博士の「週刊藝人春秋 Diary」の直後に『ゴンちゃん,またね』を配したあたり,編集部の小憎らしいほどの演出。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.26

「デンマーク・デザイン展 ヒュゲのかたち」に行ってきた

つい先日,山口県立美術館まで出かけて「デンマーク・デザイン展 ヒュゲのかたち」を観てきた。

Sdsc_1007

「ヒュゲ」とは心地の良さを意味するデンマーク語。

日本でも根強い人気を持つ北欧デザインの数々が勢ぞろい。

Dansk

初期のロイヤルコペンハーゲンのコレクション,アーネ・ヤコブスンのエッグチェア,ヘニングスンのペンダントライトなど近現代の有名な作品群を直接見ることができた。

いや,見るどころか,ハンス・ヴィーイナの椅子の座り心地を試すことができた。

Sdsc_1009

ひじ掛けと背もたれを一体化するという素晴らしいアイディア。

Sdsc_1010

↑ケネディ大統領も座ったという名作ラウンドチェア<ザ・チェア>

Sdsc_1012

↑ツマがお気に入りの<パパベア・チェア>

Sdsc_1011

↑小生がお気にいりの<サークル・チェア>。一度座ると二度と立ち上がりたくなくなるような,強烈な安らぎを味わうことができる。これぞ「ヒュゲ」。

これらの椅子を取りそろえることができるほどの財力が欲しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.25

トム・フォード監督『ノクターナル・アニマルズ』を観てきた

YCAMでトム・フォード監督『ノクターナル・アニマルズ』を観てきた。

Nocturnalanimals

コンテンポラリーアートを扱うギャラリーのオーナーであるスーザン(エイミー・アダムス)のもとに,前夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から,彼が書いた小説『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』の原稿が送られてくる。それは強姦殺人事件を描いたバイオレンス・サスペンスだった。小説にのめり込むスーザンの脳裏には,エドワードとの過去がフラッシュバックする……。

自身の名前のブランドを持つ,ファッションデザイナーのトム・フォードが独自の美意識を以て作り上げた,観客を圧倒する映画。とくにアベル・コジェニオウスキによる荘厳な音楽とともに始まるオープニング・シーンには度肝を抜かれる。スーザンのいるゴージャスな富裕層の世界と,小説内の砂ぼこり舞うバイオレンスな世界との対比が見事。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.23

映画『ウィンストン・チャーチル』公開記念:『マラカンド野戦軍物語』第2章まで公開

映画『ウィンストン・チャーチル』公開記念!

ということで,サー・ウィンストン・チャーチルの若かりし頃の作品『マラカンド野戦軍物語』を第2章まで訳したので公開する。

同書は5年近く前に一度,第1章を訳して公開したことがある(参考)。

その後,だらだらと訳したり訳さなかったりしたものの,ようやく2章まで漕ぎつけたので,披露する次第である。

「Malakand-field-force-01-02.pdf」をダウンロード

前にも書いたが,チャーチルの巧みな文章を日本語に直すのは難しい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.21

猫はしゃべる

うちのおこま嬢のことだが,たまに猫語とも人語ともつかないことをしゃべることがある。

Sdsc_0208

酒場詩人・吉田類も『酒場詩人の流儀』(2014年,中公新書)の中で同じようなことを言っていた。

吉田類のファンならご存知だと思うが,この詩人はかつて「からし」という名の牡猫を飼っていた。

吉田類が,からし君に向かい,「一回きりでいいから人の言葉でしゃべっておくれ。神様には内緒だからね」と問いかけると,からし君は「にゃもらみにゃらむにゃ」と答えたとか。

これは,『酒場詩人の流儀』所収の「愛,見~つけた」(39~40ページ)と「内緒の話」(138~140ページ)という2編のエッセーに書かれている話である。

猫たちは猫同士のコミュニケーションではあまり鳴かない。尻尾の形など,ボディランゲージで交信し合うからだ。

猫が人間に対してよく鳴くのは人間とコミュニケーションをとるためだという。

人語のような鳴き声をするのは,人間に気持ちを伝えるための猫側の努力なのだろう。

Sdsc_0204_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.20

ある日のトリブバン空港

先々週,ネパールのカトマンズ(カトマンドゥ)にいた。

20180307_093852

スワナプーム空港を飛び立って,カトマンズのトリブバン空港についてみると,まあ,相変わらず長閑な感じの空港である。

Sdsc_0971

Sdsc_0972

外を出歩いて飛行機に乗り降りするあたり,国際空港というよりも地方空港の趣がある。

Sdsc_0992

しかし,搭乗口付近の待合室ときたら,大変な混み様。

Sdsc_0991_2

先日の墜落事故の際は,炎上する飛行機を眼前にして,待合室は大騒ぎだったのだろうと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.19

万倉の古民家レストラン「創」のランチは美味い

過去何回も通っている(参照参照参照参照)万倉の古民家レストラン「倉(そう)」。

雨の中,久々に行ってみた。

Sdsc_1003

地元の珍しい野菜を使っていてとても美味しい。

Sdsc_1004

↓鯛のソテーの皿はまるで絵画の様である。ロマネスコやソルトリーフといった特徴ある野菜が鯛を取り囲んでいる。また,紫芋のムースが色調にアクセントを加えている。

Sdsc_1005

↓そして宇部牛のステーキ。ワインとマスタードの2種類のソースがかかっている。

Sdsc_1006

今回も,舌鼓を打った。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

航空宇宙軍史|第1次外惑星動乱は2099年6月に始まった

谷甲州『航空宇宙軍史・完全版一 カリスト-開戦前夜-/タナトス戦闘団』は,第1次外惑星動乱の前夜と開戦当時の状況を描いた作品である。第1次外惑星動乱とは,カリスト,ガニメデ,タイタンといった木星と土星の衛星に存在する国家の連合「外惑星連合」と地球=月連合および航空宇宙軍との間で起こった戦争である。開戦時期は2099年6月である。

なぜ,2099年6月に設定されたのか?

それは,本書の解説で吉田隆一が述べているように,木星と土星の距離が近くなっている時期にあたるからである。

一応,ネット上にある太陽系シミュレータ:

太陽系の簡単なシミュレーション 鳳ソフト」
太陽系の天体の位置- STUDIO KAMADA

を使って木星と土星の位置を調べてみた。結果は下の通りである。

20990601planet
(↑)2099年6月1日の木星,土星,地球の位置関係

確かに,木星と土星の距離は短い。

これが例えば,2090年6月1日だったりしたら,どうなるか? その場合,木星と土星は太陽を挟んで反対側に位置することになり,とても迅速な連絡はできなくなる。

数値一つ一つに意味があるというのが,航空宇宙軍史の魅力である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.16

航空宇宙軍史はカトマンドゥで開幕する

海外出張時には訪問国と関係のない本を携えていることが多い。例えば,カンボジアに行った際は吉田類『酒場詩人の流儀』(参照)だったし,インドネシアに行った際はラーベ『雀横丁年代記』(参照)だった。

今回のネパール行きでは谷甲州『航空宇宙軍史・完全版一 カリスト-開戦前夜-/タナトス戦闘団』を持って行った。ただし,これが訪問国と関係ないかというと少し違う。

なぜなら,谷甲州とネパールは切っても切れない関係にあるからだ。谷甲州は青年海外協力隊の一員としてネパールで勤務し,その地で「137軌道旅団」や「星空のフロンティア」といった作品を書き上げた。これらのSF作品になぜか漂う土埃の匂いはネパールの大地と無縁ではない。

航空宇宙軍史・完全版一 カリスト-開戦前夜-/タナトス戦闘団』の話は横に置いといて,「星空のフロンティア」の話をしよう。

時系列順で言えば,航空宇宙軍史の最初期を描いた「星空のフロンティア」は『仮装巡洋艦バシリスク』(ハヤカワ文庫 JA200,1985年)に収められた中編小説である。当時,高校生だった老生は,航空宇宙軍による宇宙探査の話であるにもかかわらずカトマンドゥ旧市街の情景から話が始まる「星空のフロンティア」には度肝を抜かれた。

「星空のフロンティア」に描かれたカトマンドゥの情景は,谷甲州が1970年代終わりから1980年代初めに見た情景だったのだろう。航空宇宙軍史の世界では,21世紀の終わりになってもカトマンドゥの姿は20世紀のままを留めていた。

今のカトマンドゥの状況はどうか? 航空宇宙軍史の世界とは異なり,少しだけ時計が進んだように見える。迷路のような街区は相変わらずだが,人々はiPhoneやGalaxy携帯を片手に街を歩いている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.15

90パーセント以上のボトル入り飲料水にプラスチック粒子が入っていたそうで

英国のガーディアン紙の記事によると,90パーセント以上のボトル入り飲料水に微細なプラスチック繊維が入っていることがわかったそうである:

"Microplastics found in more than 90% of bottled water, study says" (by Graham Readfearn, The Guardian, Thu 15 Mar 2018)
Researchers find levels of plastic fibres in popular bottled water brands could be twice as high as those found in tap water

9か国19か所で11ブランドのボトル入り飲料水(いわゆるミネラルウォーター)259本を調査したところ,平均で325のプラスチック粒子が含まれていたとのこと。

調査対象となった国は,アメリカ,中国,ブラジル,インド,インドネシア,メキシコ,レバノン,ケニア,タイの9か国。

また,対象となったブランドは次の通り: Aqua (Danone), Aquafina (PepsiCo), Bisleri (Bisleri International), Dasani (Coca-Cola), Epura (PepsiCo), Evian (Danone), Gerolsteiner (Gerolsteiner Brunnen), Minalba (Grupo Edson Queiroz), Nestlé Pure Life (Nestlé), San Pellegrino (Nestlé) and Wahaha (Hangzhou Wahaha Group).

プラスチック粒子の中で最も頻繁に見つかるのはポリプロピレン。ボトルの蓋と同じ素材。

全くプラスチックが入っていなかったのは,259本中わずか17本だった。

調べたのはニューヨーク州立大学フレドニア校の研究者たち。

ざっくり言って,ボトル入り飲料水は水道水の2倍の濃度のプラスチック粒子を含んでいるとのこと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.13

トリブバン空港にてUS Bangla機墜落,49人死亡

119pxflag_of_nepal

すでに日本でも報道されているが,トリブバン空港で12日午後2時18分,ダッカ発カトマンドゥ行きBS 211便(US Bangla Airline)が着陸に失敗,墜落炎上した。乗客乗員71名中49名が死亡した。

"49 killed in US Bangla BS-211 crash" (The Himalayan Times)

死亡した49人のうち,22人はネパール人。日本人は含まれていない模様。

The Himakayan Timesによると,事故の直接の原因は「進入復行」によるものだという。侵入復行というのは,着陸進入中に「ディシジョン・ハイト」まで降下しても滑走路を視認できなかった場合,降下するのをやめて上昇に転じることである。

トリブバン空港は規模の割にフライトスケジュールが過密で,よく飛行機の離着陸が遅れる。

今回の事件の背景に,そういった運航管理上の問題があるのか,それとも天候によるものか,今のところは不明である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.10

ネパールの勤務先でランチボックス

ネパールのカトマンズ,というか正確にはパタンの方で勤務しております。

毎日,2時過ぎにランチボックスが配られるのだが,わりと楽しみにしている。

木曜日はモモ尽くし(↓モモ20個入り)

Sdsc_0974

カレー味のソースが付いていたので(というかこれはカレーか?),一個一個浸して食べた。辛くておいしい。


金曜日はなんかいろいろ詰め合わせセット(↓)

Sdsc_0978

Sdsc_0977

鶏のから揚げ,モモ,バナナ,プレーンナン,よくわからない菱餅風のお菓子, そして袋に入った辛いソースというかカレーというか。


そして土曜日も詰め合わせセット(↓)

Sdsc_0988

Sdsc_0989

オレンジ,甘くないドーナツ風の何か,ひよこ豆のカレー,昨日見た菱餅風の何か,ヨーグルトとご飯を混ぜたデザート。あと,表からは見えないが,カレーナンが二切れ入っていた。

ご飯とヨーグルトを混ぜるのは邪道だと思う人もいるかもしれないが,チェンマイではマンゴともち米のセットを食べたし,日本でも牡丹餅があるし,米のスイーツ化はわりと普通のこと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ホテル・サンセット・ビューの「ヒマラヤそば処」

長野県戸隠村で修業したというネパール人による本格的手打ちそばを食べてきた。
そば粉はムスタン郡トゥクチェ村から取り寄せられたもの。

Sdsc_0987

これはそばセット1500ルピー(↑)。そば団子,そば羊羹などそば尽くし。日本ではこんなに食べたことはない。もちろん,最後は蕎麦湯で締めるわけである。

Sdsc_0983

庭には桜の花が。こっちはもう春。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ネパールのビール

ネパールにいるんだから,ネパール産のビールを飲む。

まず,これ(↓)が「ゴルカ」

Sdsc_0975

いわゆるグルカ兵が目印。

そして,これ(↓)が「エヴェレスト」

Sdsc_0986

どれもマイルドな味でおいしい。

これらに比べると,日本のビールってなんであんなに苦いのか? それもまあ持ち味なんだけど。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.08

ネパールに来ている次第

バンコク経由でネパールに来ているわけである。

途中,機内からヒマラヤ山脈を撮ってみたのだが,携帯のカメラの能力では,ぼんやりとしか写せなかった。

Sdsc_0969

ちなみにカトマンズ市内は春霞に包まれ,ヒマラヤどころか,周辺の山すら見えない有様である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.07

今日からネパールへ

今日からネパールに行く。

119pxflag_of_nepal

例によってスワナプーム空港経由。

カトマンズ往復が一日一便だというのがネックだが仕方ない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.06

カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』を読む

カズオ・イシグロがノーベル文学賞を受賞したことで,近所の本屋には彼の作品の山ができている。

『わたしを離さないで』を読んで以来(参照),ご無沙汰だったのだが,今回,比較的最近の作と言える『忘れられた巨人』を読んでみた。

あらすじはこんな感じ:

アーサー王亡き後のブリテン島。ブリトン人とサクソン人との間には不穏な空気が漂っているものの,大きな争いは無く,両者はとりあえず共存している。

この島の住民はみな奇妙な病気に罹っている。様々な大事なことを忘れてしまう。いわば記憶の障害だ。人々はついこの間の事件や訪問者すら思い出せない。

そんな中,ブリトン人の老夫婦,アクセルとベアトリスは,顔すら思い出せない息子に会いに行こうと思い立ち,長年暮らした村を離れて旅を始める。旅の途上で,老夫婦は孤児の少年,サクソン人の戦士,アーサー王に仕えた老騎士らと出会い,行動を共にする。

老夫婦の旅はやがて老夫婦の運命のみならず,この島の未来をも左右しかねない出来事とつながっていくのだった……。


◆   ◆   ◆


描かれるのはファンタジーの世界であり,鬼や怪鳥や龍,その他魑魅魍魎が跋扈する。だが巨人は登場しない。ではタイトルの「忘れられた巨人」とは一体何なのか?それは人々が忘れていた,非常に大事なことの比喩であるが,ネタバレになるのでここでは書かない。

この物語をより深く読もうとすれば,ブリテン島の古代史について少しばかり予備知識があると良い。英国史に詳しい人はわかると思うが,ブリトン人というのはブリテン島のケルト系先住民である。そして,サクソン人というのは世界史で習うアングロ・サクソン,つまりヨーロッパ大陸から渡ってきたゲルマン系民族のことである。アングロ・サクソン人たちはやがてブリトン人を支配し,ケルト文化を駆逐する。老夫婦はその滅ぼされる側の人々である。

この物語には多様なテーマが埋め込まれている,愛や人間性にとっての記憶の意義であったり,現代ヨーロッパにおける難民排斥の動きを想起させる民族対立であったり。

先年読んだ『わたしを離さないで』との共通点を見出そうとすれば,それは消えゆく人々の白鳥の歌,あるいは消えゆく人々への挽歌,ということではないだろうか。カズオ・イシグロが描く世界はいつも静謐さを湛えているのだが,その静謐さが保たれているからこそ,白鳥の歌は響き渡る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.03.02

甲斐徹郎『自分のためのエコロジー』を読む

だいぶ前,10年以上前に出た本だが,講習会のネタ探しに甲斐徹郎『自分のためのエコロジー』 (ちくまプリマー新書)を読んだ。

地球環境問題への取り組みを掛け声だけで終わらせないためには,この問題を他人事ではなく自分事にしなくてはいけない。

そのために著者が提案するのは,自分が得をするエコロジカルな取り組みである。

本書では,その取り組みの対象として住環境が選ばれている。住まいとその周りの環境を制御することで快適で地球に優しい暮らしを実現しようというのだ。

この本で面白いのは,利便性の他に豊かさという評価軸を持ってきていることである。

利便性は便利/不便という機能,つまりはテクノロジーに直結するようなわかりやすい評価軸である。

これに対して,本書では,関係性(孤立しているか共生しているかということ)の価値を豊かさという言葉で表し,豊かさによっても我々の住環境を評価している。

著者は住環境に対する考え方の枠組み,つまりパラダイムを次のように分類している:

(1)伝統的な集落における価値構造
○建物単体では不完全な住環境の制御を周辺環境(樹木,隣家等)の活用によって補う
○依存型共生
○「不便」だけど「豊か」

(2)現代都市における価値構造
○建物単体で十分な住環境制御ができるので,建物は周辺環境から隔絶している
○自立型孤立
○「便利」だけど「豊かじゃない」

(3)これからの価値構造
○建物単体に周辺環境も加えて住環境制御を行う
○自立型共生
○「便利さ」も「豊かさ」も

日本の伝統的な集落では木造の建物ばかりで,壁の断熱性能も悪く,隙間風も吹き込み,冷暖房をしても十分に快適な室内環境を作り出すことが出来なかった。そこで,近隣の家との境界に樹木を植え,風除けにしたり遮光したりして,集落全体で快適な住環境を作るように努力していた。これが(1)の伝統的な集落の姿である。住宅単体の不便さを,集落の関係性の豊かさによって解決する,という考え方が背景にある。

テクノロジーが発達してくると,丈夫で断熱性も高い住宅ができ,室内環境を完全にコントロールできるようになる。こうなると,集落というか地域の世帯同士の関係性というのは不要になる。それぞれの家庭はそれぞれの住宅を要塞化して閉じこもるわけである。これが(2)の現代都市の姿である。集落/地域の関係性を放棄し,住宅単体の便利さのみを追求するということである。

戦後,日本人は(2)の価値構造を良しとしてきた。しかし,住宅を要塞化してその中のみ快適にするというやり方は,住宅の周り,周辺環境に多大な負荷をあたえてしまう。例えば,夏場にエアコンで室内を快適に保とうとすれば,エアコンの室外機からは大量の熱が放出され,屋外の熱環境を悪化させる,というような具合。

そこで本書で提案されているのは(3)の価値構造への転換である。例えば,夏場に室内を快適にしようとすれば,エアコンに頼るだけが能じゃない。簾で遮光したり,ゴーヤを植えて緑のカーテンを作ったり,コミュニティで木を植えたり,といろいろな手を打つことができる。


◆   ◆   ◆


だが,(3)の価値構造への転換は簡単ではないと思う人も多いはずである。現代社会というのは濃密な人間関係の否定から出発しているからである。

これに対して著者が示すのが,感情の関係性と利害の関係性を峻別するということである。自分の家にとって得なことが,隣家にとっても得なことであれば,感情を越えて,協力関係が成立する。2つの家の敷地の境界に木を植えることによって,両家の光熱費が下がるのであれば,その木を植えるべきだということである。

ここでタイトルの「自分のための」という語句が重要な意味を持っていることがわかる。自分のために良いことが,他者にとっても良いことであれば,自他が協力し合うことによって,より大きなスケールでメリットが生まれる,というわけである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2018年2月 | トップページ | 2018年4月 »