仮想通貨/暗号通貨について伊藤穰一が語る
ちょっと前に「仮想通貨はポンジ・スキームのようなものになるとか―ある数学モデルによれば」という記事を訳知り顔で書いたが,MITメディアラボ所長の伊藤穰一がもっともっと含蓄のあることを語っていたのでご紹介:
「仮想通貨とブロックチェーン、そしてICOの狂乱に思うこと」(by 伊藤穰一,WIRED)
前半では仮想通貨/暗号通貨の現状についての懸念が述べられている:
「わたしが最近のICOについて懸念しているのは,それが暗号通貨を取り囲むゴールドラッシュ的な空気にあおられたものであり,無責任な手法で実施されたことで個人に害を及ぼし,開発者と組織のエコシステムを損なっている点である。」
「すなわち,ICOと暗号通貨の関係は,トランプ大統領とアメリカの民主主義との関係に似ている。どちらも創設者が思い描いた姿からは,かけ離れているのだ。」
しかし,後半では日本の不動産バブルやドットコム・バブルなどを振り返り,未来への期待が語られている:
「インターネットの世界で最も成功した一連の巨大企業は,最初のバブルのあとにプロトコルやテクノロジーが成熟してから設立された。わたしはいま,鼻をつまんで目を細め,未来に思いを馳せている。そして、ICOの暴走が巻き起こしている砂嵐の向こう側にある山々に向かって,駆け出しているのだ。」
そうそう。ブロックチェーン≠仮想通貨である。アフター・ビットコインに思いをはせよう。
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