« スティーブ・シルバーマン『自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実』を読む(続) | トップページ | 2018年2月初旬の株価乱高下:両論入り乱れ »

2018.02.08

仮想通貨はポンジ・スキームのようなものになるとか―ある数学モデルによれば

なんとなーく,そんな気がしていたが,数学モデルを使った検討結果が公表された:

"Bitcoin May Evolve Into What Everyone Fears, Mathematicians Say" (By Olga Kharif, ‎2018‎年‎2月‎7‎日, Bloomberg)

"Prices of cryptocurrencies such as Bitcoin may never stabilize, and digital tokens risk simply ending up being the equivalent of Ponzi schemes."

通常の通貨も,ある種の神話性を帯びている(ほかの人が受け取ってくれる筈という仮定(信用)の下で流通している)が,仮想通貨 (cryptocurrencies) は神話どころかフィクションの度合いが高い。

単に,「ほかの人が受け取ってくれる筈」という流動性の仮定(信用)にとどまらず,「将来,価値が上昇する」という見込みも加わっているからだ。

仮想通貨の価値は付随的な買い手(fringe buyers)の見込みで変動する。買い手が仮想通貨の価値上昇を見込めば,仮想通貨の価値は上昇し,買い手が恐怖を抱けば価値は下落する。それだけのことである。

それだけのこと,と言ったが,そこが大事でもある。仮想通貨の価値上昇・下落が重視されると,仮想通貨を所持・放出すること自体が重要になり,通貨の最も大事な機能である,流通は二の次となる。

2018年1月18日の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」の欄に岩井克人へのインタビュー記事が載っていた。「デジタル通貨の行方 ビットコイン相場 投資資産そのもの 使用控える矛盾に」という記事だ。

岩井克人によれば,仮想通貨は過剰な価値を持ってしまったため,かえって流通せず貨幣としての機能を失ってしまったということである。

現時点ではその通りだと思う。

|

« スティーブ・シルバーマン『自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実』を読む(続) | トップページ | 2018年2月初旬の株価乱高下:両論入り乱れ »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 仮想通貨はポンジ・スキームのようなものになるとか―ある数学モデルによれば:

« スティーブ・シルバーマン『自閉症の世界 多様性に満ちた内面の真実』を読む(続) | トップページ | 2018年2月初旬の株価乱高下:両論入り乱れ »