廣松渉『世界の共同主観的存在構造』2冊目!
先月11月,廣松渉の『世界の共同主観的存在構造』が岩波文庫に入った。
是非もなく購入した。
手元には講談社学術文庫版が既にあるというのに。
内容はもちろん同じ。解説も熊野純彦で同じ。
ただし,熊野純彦の解説は講談社学術文庫版と同じではない。廣松渉の生涯,日本思想史における位置づけも含めて,より一般の人々に分かるように解説している。
あと,岩波文庫版には付録として,「情況」1973年1月号に掲載された,足立和浩,白井健三郎,廣松渉による鼎談「サルトルの地平と共同主観性」が収録されているので得した気分。
廣松渉の思想についての入門書としては,小林敏明『廣松渉-近代の超克 (再発見 日本の哲学)』がとても良い本で,小生もかつて同書を踏まえていろいろと記事を書いた(参照)。
「世界の共同主観的存在構造」とは,廣松渉の言葉を引用すれば、「所与がそれ以上の或るものとして、『誰か』としての或る者に対して」存在するという構造のことだが,この言葉だけではなんのことやらわからないだろう。
良く知りたいと思った人はまず,小林敏明の入門書をお読みいただきたい。そして,より正確に知りたければ,廣松渉自身の代表的著書『世界の共同主観的存在構造』に進むべきだろう。
字面は小難しいが,言っていることは非常に明確である。
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