« 『ユトク伝 チベット医学の教えと伝説』を読む | トップページ | 病はおおよそ熱性病と寒性病に分けられる »

2017.09.27

ユトクに至る系譜

中川和也訳『ユトク伝』(岩波文庫)の主人公,ユトク・ニンマ・ユンテン・グンポは,チベット王ティソン・デツェン(742~797)に仕え,チベット医学の基礎を築いた人物である。125年も生きたという。最後にはこの世を離れ,医王(薬師仏)の治める都市,タナトゥクに逝ったという。

ユトクの遠い祖先はバヌマという。バヌマは光音天から地上に降りてきた。そこから長い一族の歴史があって,ユトクに至るのだが,読んでいたらわからなくなってしまうので,系譜をまとめてみた。(PDF版はこちら

Gyuthog

この系譜で赤字の名前は女性。あと二重線は婚姻等。<>で囲った部分はチベット名の意味を表している。

重要な人物としては,ケーペー・イトマと医師ビチ・カチェが挙げられると思う。

イトマは居酒屋の娘で大変な美女だったという。それが,数奇な運命の末,医薬女神となるわけである。今,数奇な運命と書いたが,二重線の多さでわかるように,要するに男性遍歴である。

イトマの子孫に医師ビチ・カチェという人物が現れ,この人物と,幼馴染のビラ・カンゼーマがチベットに医学をもたらす。

ビチ・カチェとイッキー・ルチャ王妃の間に生まれた子供,そしてその子々孫々は,吐蕃(チベット)歴代の王の侍医となる。そして,ティソン・デツェン王の御代に侍医となったのが,ユトク・ユンテン・グンポである。

|

« 『ユトク伝 チベット医学の教えと伝説』を読む | トップページ | 病はおおよそ熱性病と寒性病に分けられる »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ユトクに至る系譜:

« 『ユトク伝 チベット医学の教えと伝説』を読む | トップページ | 病はおおよそ熱性病と寒性病に分けられる »