本を捨てる
いつの間にか本が増えてしまう。このまま増え続けるとどうなるのか?
西牟田靖『本で床は抜けるのか』を読んでいたら,徐々に恐怖が増してきた。
本書によれば,一般住宅の積載荷重は1平方メートルあたり180キロだそうだ。
一か所に本を積み上げると,危ない。とは言っても,部屋中に本をまき散らすわけにもいかない。さあどうしよう?
焼け石に水だろうが,老生はとりあえず何十冊か,本を捨てることにした。捨てる本をいくつか紹介しよう:
(1) 野口悠紀雄『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』(中公新書)
(2) おなじく野口悠紀雄『続「超」整理法・時間編―タイム・マネジメントの新技法』(中公新書)
これら2冊はベストセラーもいいところ。書類を袋に入れて時間順に並べる,とか参考になるアイディアはたくさんあった。だが,ノウハウは読んだだけでは意味がない。結局,実行するかどうか。そして実行するかどうかは読者次第。老生の場合は,結局実行していない・・・。
整理法の本を処分するというのは皮肉のようで,理にかなっているような気がする。
(3) 湯川秀樹ほか『素粒子』(岩波新書)
昔,素人ながら,素粒子論に凝ったことがあって,こういう本を読んでいた。
しかし,素粒子論は素粒子実験の成果を踏まえてどんどん新しいものになっている。1969年に上梓された本書『素粒子』は湯川秀樹が書いたとはいえ,もはや過渡的なものに過ぎない。情報が古すぎる。最新の解説本を読んだ方がいい。というわけで処分。
(4) 岩波書店編集部『岩波新書の50年』(岩波新書)
岩波新書創刊50年を記念して1988年2月に刊行された本である。
しかし,それからすでに29年が経過し,創刊79年を迎える今年,この本を読むことに価値があるのだろうか。というわけで処分。
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