ウンベルト・エーコの『バウドリーノ』は面白い
「ゴーメンガースト」三部作を読み終えて以来,分厚い本ばかり本でいるのだが,『バウドリーノ』(岩波文庫)も結構厚い。
こういうどこか遠くの世界の話を読むのが最近の小生のブームである。
バウドリーノはニケタス・コニアテスに対してこう語った:
「ほかの世界を想像するにこしたことはありません。 <中略> 私たちが生きている世界がいかに苦しいものであるかを忘れるためには。 少なくとも当時,私はそう思っていました。 ほかの世界を想像することが,結局はこの世界を変えることにつながるということにまだ気づいていなかったのです。」(上巻176頁)
これに対して,
「さしあたりは,神の意思が授けたこの世で平穏に生きようではありませんか」とニケタスは言った。(上巻176頁)
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