ウンベルト・エーコ『バウドリーノ』読み始め
ウンベルト・エーコ作,堤康徳訳『バウドリーノ』を読み始めた。
これは今年の4月に岩波文庫に入ったのだが,『犬と鬼』とか他の本を読むのを優先していたので,今頃読み始めることになった次第。
【あらすじ】
西暦1204年。第4回十字軍によって略奪され,破壊されるがままとなっているコンスタンティノープル市街を眼下に見下ろす一室。ビザンツ帝国の高官にして歴史家のニケタス・コニアテスを相手に,言語の天才にして稀代のほら吹き,バウドリーノが,その驚くべき半生を語りはじめる……。
小難しいお話かもしれないと思い,身構えて読み始めたが,エーコのヨーロッパ中世に関する莫大な知識とユーモア溢れる記述に魅かれて,ずいぶんとハイペースで読み進めてしまった。
語学力があり,頭脳明晰であるとともに,ほら吹きでもある主人公・バウドリーノの語り口が非常に魅力的。
バウドリーノの話の聞き手がビザンツ帝国高官で,ときおり西欧人とビザンツ人の価値観や習慣がぶつかったりするのがとても面白い。
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