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2017.06.30

『バウドリーノ』上巻読了

ウンベルト・エーコ『バウドリーノ』(岩波文庫)の上巻では,バウドリーノが13歳から43歳までの30年間の事跡をニケタス・コニアテスに語っている。

イタリアの農民の子だったバウドリーノは,その機智を買われて神聖ローマ皇帝フリードリヒ(バルバロッサ)の養子となり,たびたび皇帝を窮地から救い出してきた(と,ほら吹きのバウドリーノは語っている)。

バウドリーノにとって生涯をかけるべき一大事業は,フリードリヒの権威を高めるため,東方にあるという伝説のキリスト教国「司教プレスター・ジョンの国」(司教ヨハネの王国)を探し求めることである。

その情報集めのため,バウドリーノと仲間たちが東ローマ(ビザンツ)帝国の都コンスタンティノープルに潜入したところ,東ローマ帝国を揺るがす政変に出くわした。

皇帝バシレウスアンドロニコスに追い詰められた,イサキオス・アンゲロスが破れかぶれのクーデターを起こし,ついにアンドロニコスを倒したのである。バウドリーノ一行が,アンドロニコスが惨い処刑のされ方をするのを目撃したところで上巻はおしまい。

さて,バウドリーノは司教ヨハネの王国にたどり着けるのだろうか?という期待と不安を胸に下巻に移る。

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