『英語歳時記』霧の項,そしてカール・サンドバーグ
中学か高校の時,図書室で『英語歳時記』という本をパラパラとめくって読んでいた。
その本の中で,霧(fog)について書かれた一節がとても味わい深かったという印象がある。
そして幾星霜。 今頃になってAmazonで購入してみたわけである。
30数年ぶりに,霧の項を読み直してみるとこんな感じだった:
fogはmistよりも濃度の高いものをいう。イギリスはfogの多い国で,とくに11月から冬にかけては多く,ときに低く垂れこめた濃霧が1,2週間も消えないことがあり,人々の気持ちを陰うつにする…(中略)…文学でそれを描いた最も目覚ましい例は,…(中略)…Charles DickensのBleak Houseの冒頭の部分である。John GlasworthyのThe forsyte SagaでBosinney青年が自動車にひかれて死ぬのも,煤煙が混じてできる11月の霧深い夜である…(『英語歳時記』968頁)
こういう解説文のあとで,T. S. EliotやC. Sandburg(カール・サンドバーグ)の詩が引用されるのだが,どちらもfogをネコに例えている。
小生としてはサンドバーグのこの短い詩がとても良いと思った。
THE fog comes
on little cat feet.
It sits looking
over harbor and city
on silent haunches
and then moves on.
C. Sandburg: "The fog"
霧はやってくる,子猫のような足取りで。
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