YCAMで『修羅雪姫』(藤田敏八監督・梶芽衣子主演)を見てきた件
今月・来月と,ふた月に渡ってYCAM(山口情報芸術センター)で藤田敏八監督の映画特集をやっているわけである。
数ある監督作・出演作のうち,1960年代から1990年代の15本を一挙上映という空前絶後の企画。題して
「藤田敏八と時代の色気」
この金曜日(23日),ツマとともにYCAMに出かけて観に行ったのが,『修羅雪姫』である。
正直なところ,藤田敏八監督の作品だからという理由ではなく,クエンティン・タランティーノから熱烈なオマージュを受けた作品だからという理由で観に行ったわけである。
血しぶきが多すぎる。荒唐無稽。とはいえ,主演の梶芽衣子が,実に美しく,格好良く,そして強い。
梶芽衣子演じる鹿島雪は獄中で雪の日に生まれた。母に代わって復讐を遂げるため,修羅の道を歩まなければならない。だから修羅雪姫。
オープニングの浅両組組長暗殺シーンといい,エンディングの鹿鳴館外で仆れるシーンといい,映画の初めと終わりを雪を血で染め上げる演出はやり過ぎ感がありつつも素晴らしい様式美である。
映画の後は,トークイベントとして,映画批評家の山根貞男氏による藤田敏八作品の解説があった。
山根貞男氏はYCAMの企画名「藤田敏八と時代の色気」をえらく褒めていた。
「時代の色気」とは何か?
山根貞男氏の解説を踏まえると,一つは1970年代の作品群において,藤田敏八監督が,女優の魅力を引き出すのがうまかった,ということを意味している。『修羅雪姫』シリーズ,『野良猫ロック』シリーズにおいて梶芽衣子の魅力を最大限に引き出したこともそうであるし,『赤い鳥逃げた?』(1973年)において桃井かおりの魅力を,『赤ちょうちん』(1974年)において秋吉久美子の魅力を,『十八歳,海へ』(1979年)において森下愛子の魅力を,それぞれ引き出したこともそうである。
もう一つは,加藤泰の言葉だそうだが,「映画は青春のものである」という言葉に忠実な,瑞々しさ,激しさ,無軌道さの溢れる娯楽作品群を藤田敏八監督が1970年代に生み出したことを指している。「若さ」即ち「色気」。上述した女優達だけでなく,原田芳雄,地井武男といった俳優たちも当時は若手俳優として,藤田敏八作品の中でエネルギーを爆発させていた。
上述したように,カルト的人気を誇る『修羅雪姫』を観たいがためにYCAMに来たわけだが,山根貞男氏の解説を聞いているうちに,藤田敏八作品全体への興味も湧いてきた。
というわけで,来月は『野良猫ロック ワイルドジャンボ』と『新宿アウトロー ぶっ飛ばせ』と『赤い鳥逃げた?』を観てこようと思います。
| 固定リンク
「映画・テレビ・芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 張藝謀(チャン・イーモウ)&鞏俐(コン・リー)の『紅夢』と『菊豆』を観た(2025.11.24)
- 『アンデス、ふたりぼっち』を観てきた(2023.06.17)
- YCAMでショートフィルムフェスティバル(2023.02.13)
- 日本のドラマ「Mother」のスペイン語版リメイク作品が大ヒットとの情報(2022.11.23)
- 『神々の山嶺』観てきた(2022.08.20)




コメント