光瀬龍『銹た銀河』を読む
先日,光瀬龍の作品をあれこれ買い漁ったわけだが,そのうちの一つ,『銹<さび>た銀河』を読んだわけである。
「サビ」って「錆」じゃなかったっけ?と思っていたが,光瀬龍は「銹」の字を使っている。その理由はよくわからないので,とりあえず保留。昭和62年の出版。表紙は萩尾望都先生。
光瀬 龍 著(表紙:萩尾望都)銹た銀河 (ハヤカワ文庫JA)
あらすじは裏表紙(↓)にある通りで,遥かな未来における,人類滅亡譚。
人類は,身体および記憶情報をカード化して保存しており,必要に応じて身体と記憶を再生されることによって永遠ともいえる命を得ていた。しかし,ある時,そのカードの大半が放射線により損傷を受け,身体・記憶の再生が困難となった。老ドラム,第一委員のフサといったすでに再生されている数少ない管理者たちがこの人類滅亡の危機に立ち向かおうとする,というのが第1部「夜明けの砂」。
第2部「夜の虹または遠い出発」は遠い星に住む植物型人間たちの話。彼らは平穏に暮らしていたが,ある日,別の星からやってきた「星人」によって,集落が壊滅させられた。生き残った首長のフセウと長老のヒシカリは伝承に従って北の伝説の都市へと向かった。
そして,この両者の物語が交錯するのが第3部「夕陽と城邑」。
最後に人類再生の望みをかけて,たった二人の人類の生き残り,老ドラムとフサが宇宙船に乗って地球から旅立つのだが,行く先に広がる銹色の銀河が,哀しみややるせなさを感じさせて,なんというか光瀬節。
人間のカード化は宇宙年代記シリーズや『百億の昼と千億の夜』にも出てきたアイディア。光瀬龍はこのアイディアをとてもお気に入りなのだろう。カード化されている間,人間は生きているのか死んでいるのか?それは凍結された生なのか,引き伸ばされた死なのか?
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コメント
宇宙年代記シリーズって未収録作品も含めKindleでまとめて読めるのですね。すばらしい。
…でも光瀬龍や眉村卓のSFは紙の本で読みたいなぁと思ってしまうのです。
投稿: 拾伍谷 | 2016.12.15 01:51
おっしゃる通り,今や宇宙年代記シリーズはまとめてKindleで読めます。小生も素晴らしいことだと思います。
とはいえ,時の流れの残酷さを意識しながら読もうと思ったら,変色し劣化してしまう紙の本で読むのが一番だと思います。それが今回,アマゾン経由の古本の購入に踏み切った理由です。よせては返し。
投稿: fukunan | 2016.12.15 16:43