ドキュメンタリー映画『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』を観てきた件
先週,ツマとともにYCAMで『聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅』という映画を見てきたのだが,今頃になって感想を書いてみたいと思う。
これはヤン・シュミット・ガレ監督によって2011年に制作されたドキュメンタリー映画である。字幕監修はあのケン・ハラクマ。
現代ヨガの祖として知られるのがクリシュナマチャリアである。その直弟子たちは2000年代にはまだ存命だった。
そうした直弟子のうち,最も高名なパタビジョイスとB.K.S.アイアンガー,そしてクリシュナマチャリアの子供たちを,ヨガ初心者のヤン・シュミット・ガレが訪ね歩き,ヨガの実践と哲学を学ぶというのがこの映画の内容である。
ドイツ人である監督は,パタビジョイスからは太陽礼拝(サン・サルテーション)の,アイアンガーからはシールシャ・アーサナなどの各種アーサナ(ポーズ)の指導を受けた。しかし,ポーズも大事だが,もっと大事なのは呼吸法であるということが本映画の随所で語られていた。呼吸法を無視してヨガのポーズをとることは単なる曲芸に過ぎないということである。
撮影当時,パタビジョイスは93歳,アイアンガーは90歳と高齢だったが,どちらも矍鑠としており,弟子たちを直接指導していた。彼らが長寿で健康的だったのは呼吸法のおかげだろうかと思っている。
クリシュナマチャリアはパタビジョイスに対し丁寧な指導を行った一方,アイアンガーに対しては冷たくあたり,早くに独立させた。アイアンガーはクリシュナマチャリアに無理なアーサナを命じられ,足の肉離れを起こして2か月苦しんだとまで述べていた。
しかし,これは伝統を受け継ぐ者としての素質をパタビジョイスに,新たなフロンティアを開拓する者としての素質をアイアンガーに見出したクリシュナマチャリアの慧眼であろうと柳生直子氏がパンフレットで述べているのだが,実際,その通りだろう。
小生はスポーツジムのスタジオレッスンでアシュタンガヨガや,ヨガ・ピラティスを取り入れたエクササイズを学んでいる。その際,ポーズに気を付けてばかりで,呼吸にまで考えが及んでいなかった。この映画を見て深く反省。
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